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魚介類加工品(とびっこ・明太子・干物など)のプリン体含有量

 いくらやとびっこなど、魚卵はプリン体が多いイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。水分が飛んで旨味が凝縮している干物など、おいしいものにはプリン体がつきもの、というイメージもあります。イメージにとらわれず、魚介類の加工品に含まれているプリン体の量を確認していきましょう。

<この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※

干物のプリン体含有量


 干物は水分量が少ないため、生の食材に比べてプリン体含有量が多くなりますが、あまり心配する必要はありません。例えば、かつお節のプリン体含有量は100gあたり493mgと非常に多くなっていますが、一回の食事で食べる量は極めて少なく、プリン体の摂取量もその分少なくなります。

 その中でも注意した方がよいのがいわしです。いわしは生の状態でもプリン体含有量が他の魚に比べて多く、いわしの幼魚を原料とするしらす干しもまたプリン体含有量が多くなってます。食べ過ぎなければ問題ありませんので、プリン体が多く含まれているということを認識しておきましょう。

食品名 100gあたりのプリン体
1食あたりのプリン体

(目安)
かつお節
493mg
5mg
(1食1g)
 かつお節には必須アミノ酸を豊富に含む良質なたんぱく質や、カリウムをはじめとするミネラル、ビタミンB群やナイアシン、ビタミンDなどを多く含んでいます。かつお節のプリン体含有量は100gあたり493mgであり、プリン体が非常に多く見えますが、一食当たりの量に換算すると非常に少なく、心配する必要はありません。

しらす干し
472mg
10mg
(1食2g)
 しらす干しはイワシなどの稚魚を釜茹でしてから少し乾燥させたもので、たんぱく質のほか、カリウム、カルシウムなどのミネラル、ビタミンB1、ナイアシン、ビタミンDなどの各種ビタミンを多く含んでいます。しらす干しは乾燥させることで栄養が濃縮している分、プリン体含有量も100gあたり472mgとなっていますが、一食当たりの量に換算すると非常に少なく、食べ過ぎなければ心配する必要はありません。

ちりめんじゃこ
1109mg
22mg
(1食2g)
 ちりめんじゃこはイワシなどの稚魚を釜茹でしてからしっかり乾燥させたもので、たんぱく質のほか、カリウム、カルシウムなどのミネラル、ビタミンB1、ナイアシン、ビタミンDなどの各種ビタミンを多く含んでいます。しっかり乾燥させることで栄養が濃縮している分、ちりめんじゃこに含まれているプリン体の量は100gあたり1109mgと非常に多く見えますが、一食当たりの量に換算すると非常に少なく、食べ過ぎなければ心配する必要はありません。

煮干し
746mg
15mg
(1食2g)
 煮干しは小魚を煮て干したものであり、かたくちいわしでつくった煮干しが一般的です。干して乾燥させることで栄養分が濃縮しており、カルシウムをはじめとするミネラルやビタミンDが豊富に含まれています。煮干しに含まれているプリン体も濃縮しているため、含有量は100gあたり746mgと多くなっていますが、一食当たりの量に換算すると、食べ過ぎなければ心配する必要はありません。ただし、煮干しをたっぷり使って取った出し汁にはプリン体が溶け出していますので注意しましょう。

さんま干物
209mg
188mg
(1食90g)
 さんまは良質なタンパク質や脂質のほか、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンEなどの各種ビタミン、カリウムをはじめとするミネラルを豊富に含んでおり、干すことで旨味も栄養価も濃縮しています。さんまの干物100gあたりのプリン体含有量は209mgであり、一日のプリン体摂取量を400mg以下にすることを考えると、食べ過ぎには注意が必要です。

まいわし干物
306mg
245mg
(1食80g)
 まいわしは意外にもプリン体が多い魚で、100gあたり210mgも含んでいますが、干物にすると水分が抜け、栄養価もプリン体も濃縮するため、まいわし干物のプリン体含有量は100gあたり306mgにもなります。まいわしはDHAやEPA、オレイン酸、パルミチン酸などの不飽和脂肪酸を多く含んでおり、健康に良いイメージがありますが、プリン体が多いということを知っておきましょう。

まあじ干物
246mg
148mg
(1食60g)
 まあじのプリン体含有量は100gあたり165mgですが、干物にすると水分が抜け、栄養価もプリン体も濃縮するため、まあじ干物のプリン体含有量は100gあたり246mgにもなります。一日のプリン体摂取量を400mg以下にすることを考えると、食べ過ぎには注意が必要です。

樺太ししゃも
150mg
90mg
(1食60g)
 スーパーで一般的にししゃもとして売られているのがこの樺太ししゃもですが、実際はししゃもの代用魚であり、英名はカペリンという魚です。ビタミンB2やナイアシンなどのビタミン類、カリウム、カルシウムなどのミネラル類を多く含んでいます。樺太ししゃものプリン体含有量は100gあたり150mg、1匹は約20g前後ですので、3匹食べて約90mgとなります。

干しエビ
749mg
15mg
(1食2g)
 干しエビはなんと言っても殻に含まれているカルシウムが豊富ですが、カリウムやマグネシウム、リン、鉄など他のミネラル類も豊富な食材です。乾燥によって栄養価とともにプリン体も濃縮されており、干しエビに含まれているプリン体の量は100gあたり749mgと非常に多く見えますが、一食当たりの量に換算すると非常に少なく、食べ過ぎなければ心配する必要はありません。

さきいか
94mg
19mg
(1食20g)
 さきいかは味付けしたイカを炙り、引き延ばしてから裂いたものであり、引き延ばす工程によってスルメよりも柔らかい食感になっています。柔らかくて食べやすい分、ついつい食べ過ぎてしまいますが、塩分が多いので注意が必要です。さきいかのプリン体含有量は100gあたり94mgとなっています。

するめ(あたりめ)
728mg(推定値)
146mg
(1食20g)
 スルメはイカの内臓を取り出してから乾燥させた乾物の一種です。古くから縁起物として扱われており、「アタリメ」とも呼ばれています。原料となるスルメイカのプリン体含有量は100gあたり187mgですが、乾燥させることで濃縮し、スルメのプリン体含有量は100gあたり700mgを超える可能性がありますので、食べ過ぎには注意が必要です。


料理名から
プリン体を調べる


魚介類加工品(缶詰・すり身)のプリン体含有量


 魚のすり身はプリン体の含有量が非常に少ないため、それを原料とするかまぼこやなると巻き、ちくわ、さつま揚げ、魚肉ソーセージなどもまた、プリン体が少ない食材となります。

 ツナ缶やサーモン缶も100gあたりに含まれるプリン体含有量はさほど多くありませんので、食べ過ぎなければ心配する必要はありません。

食品名 100gあたりのプリン体
1食あたりのプリン体
(目安)
ツナ(缶詰)
117mg
20mg
(1食30g)
サーモン(缶詰)
133mg
40mg
(1食30g)
ちくわ
48mg
14mg
(1食30g)
笹かまぼこ
48mg
14mg
(1食30g)
板かまぼこ
26mg
8mg
(1食30g)
なると巻き
32mg
10mg
(1食30g)
つみれ
68mg
20mg
(1食30g)
さつま揚げ
21mg
13mg
(1食60g)
魚肉ソーセージ
23mg
14mg
(1食60g)

料理名から
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魚介類加工品(魚卵)のプリン体含有量


 魚卵はプリン体が多いイメージがありますが、例えばいくらは100gあたり3.7mgしか含まれておらず、イメージとは裏腹にプリン体が極めて少ない食材となります。

 たらこや明太子は100gあたり100mgを超えますが、一回に食べるを考慮すると心配する必要はありません。魚卵も種類によってプリン体の含有量が異なりますので、それぞれの含有量を確認しておきましょう。

食品名 100gあたりのプリン体
1食あたりのプリン体
(目安)
たらこ
121mg
24mg
(1食20g)
筋子
16mg
3mg
(1食20g)
数の子
22mg
7mg
(1食30g)
明太子
159mg
32mg
(1食20g)
キャビア
95mg
19mg
(1食20g)
とびっこ(醤油漬け)
92mg
18mg
(1食20g)
いくら
3.7mg
0.7mg
(1食20g)




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<この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属 薬剤師 松田俊浩※
<著者の略歴>
 痛風全般はもちろんのこと、血液の病気や栄養学を専門として活動しており、痛風の正しい知識や食事療法の指導を行っている。