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肉(牛肉・豚肉・鶏肉など)のプリン体含有量

 肉類はプリン体が多いイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。牛肉や豚肉、鶏肉、羊肉など、肉の種類によって含まれるプリン体の量が多少異なりますが、一番注意すべきことは肉の部位です。どのような部位に気をつけるべきか、部位別のプリン体含有量を見ていきましょう。

<この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※

豚肉のプリン体含有量


 豚肉に含まれるプリン体は部位によって異なり、例えばバラ肉であれば100gあたり76mg、ヒレ肉であれば100gあたり120mgと差がありますが、どの部位も概ね100gあたり100mg前後となっており、プリン体が多い食材ではありません。ただし、レバーは100gあたり285mgもあり、プリン体が多い食材の代表格ですので注意しましょう。

食品名 プリン体含有量
(100gあたり)
プリン体含有量
(1食・目安)
豚バラ
76mg
61mg
(1食80g)
 赤身と脂身が層になっており、三枚肉とも呼ばれる部位です。骨付きのものはスペアリブとも呼ばれます。脂身が多くコクがあるため、角煮などの煮込み料理や豚汁、薄切りにして焼き肉として食されています。豚バラ肉のプリン体含有量は100gあたり76mgであり、他の部位に比べると少ないのが特徴です。

豚ヒレ
120mg
96mg
(1食80g)
 豚ヒレ肉は一頭からとれる量が少ない貴重な部位で、脂身が少なく、非常に柔らかいため、とんかつや串揚げで人気があります。豚ヒレ肉のプリン体含有量は100gあたり120mgであり、脂身が少ないため他の部位に比べるとプリン体が多いのが特徴です。

豚モモ
113mg
90mg
(1食80g)
 豚モモ肉は脂肪が少なく筋肉が多い部位であり、赤身の塊肉として焼き豚などに重宝されています。この部位をハムにするとボンレスハムになります。豚モモ肉のプリン体含有量は100gあたり113mgであり、脂身が少ないため他の部位に比べるとプリン体が多いのが特徴です。

豚ロース
91mg
73mg
(1食80g)
 豚ロース肉は肉質がきめ細かく柔らかい部位であり、赤身の周りに脂身があるのが特徴です。この脂身に旨味がありますので、取り除きすぎず、ソテーやとんかつとして食すのがおすすめです。豚ロース肉のプリン体含有量は100gあたり91mgとなっています。

豚肩
81mg
65mg
(1食80g)
 豚肩肉は赤身の中にある程度脂肪があるものの、肉のきめは粗く、やや硬めです。そのため、薄切りやこま切れにして、炒め物や豚汁などに適した部位です。豚肩肉のプリン体含有量は100gあたり81mgとなっています。

豚肩バラ
91mg
73mg
(1食80g)
 豚肩バラ肉は前足のつけ根あたりに位置し、バラの脂の旨味と、肩肉のような筋肉質な肉質が楽しめる部位ですが、一般的には豚バラ肉として扱われています。豚肩バラ肉のプリン体含有量は100gあたり91mgとなっています。

豚肩ロース
95mg
76mg
(1食80g)
 豚肩ロース肉は赤身の中に適度に脂肪分が存在しており、ロースよりも濃厚な味が楽しめる部位です。煮豚や炒め物、とんかつ、生姜焼きなど、どんな料理にも適しています。豚肩ロース肉のプリン体含有量は100gあたり95mgとなっています。

豚スネ
108mg
86mg
(1食80g)
 豚スネ肉は筋が多く硬めの肉質ですが、コラーゲンが多く、しっかり煮込むとトロトロに軟らかくなるため、カレーやシチューなどの煮込み料理に重宝されています。豚スネ肉のプリン体含有量は100gあたり108mgとなっています。

豚首肉(ネック)
71mg
56mg
(1食80g)
 首の部分の肉であり、トントロとも呼ばれています。脂がのっており、焼くとコリコリとした歯ごたえがあり、他の部位とは肉質が違うのが特徴です。豚ネックのプリン体含有量は100gあた71mgとなっています。

豚レバー
285mg
228mg
(1食80g)
 豚の肝臓であり、レバーにはビタミンAをはじめとするビタミン類や、鉄などのミネラルなど、栄養価が非常に高い食材です。レバーは一般的にプリン体含有量が非常に多く、豚レバーにはプリン体が100gあたり285mgも含まれていますので注意が必要です。

豚タン
104mg
83mg
(1食80g)
 豚の舌の部分であり、根元の方が脂肪が多くて柔らかく、舌先になると硬くなります。焼くとコリコリとした歯ごたえが楽しめます。豚タンのプリン体含有量は100gあたり104mgとなっています。

豚ハツ(心臓)
119mg
95mg
(1食80g)
 豚の心臓であり、脂肪が少なくてクセがなく、コリコリとした歯ごたえが楽しめます。豚ハツはモモやロースに比べるとビタミンB2を多く含んでいます。豚ハツのプリン体含有量は100gあたり119mgであり、他の部位に比べるとプリン体が多いのが特徴です。

豚ひき肉
81mg
65mg
(1食80g)
 豚ひき肉はバラ肉やすね肉などをひいてミンチにしたもので、脂が多く含まれているため、コクのある料理をつくることができます。豚ひき肉は餃子や麻婆豆腐の具材として重宝されており、プリン体含有量は100gあたり81mgとなっています。


料理名から
プリン体を調べる


牛肉のプリン体含有量


 牛肉に含まれるプリン体は豚肉と同様、部位によって含有量が異なりますが、どの部位も概ね100gあたり100mg前後となっており、プリン体が多い食材ではありません。ただし、レバーは100gあたり219.8mg、心臓は185.0mgと他の部位に比べてプリン体が多く含まれていますので注意が必要です。

食品名 プリン体含有量
(100gあたり)
プリン体含有量
(1食・目安)
牛モモ
111mg
89mg
(1食80g)
 牛モモ肉は脂身が少なく、じっくり火を通すローストビーフや煮込み料理など、塊肉として調理することが多い部位です。牛モモ肉のプリン体含有量は100gあたり111mgとなっています。

牛バラ
77mg
62mg
(1食80g)
 牛バラ肉はあばら骨の周辺に位置する部位で、赤身と脂身が層になっており、三枚肉とも呼ばれています。脂身が多いため、牛丼など煮込む料理に使われているほか、焼き肉のカルビとしても食されています。牛バラ肉のプリン体含有量は100gあたり77mgであり、脂身が多い分、他の部位に比べるとプリン体が少なくなっています。

牛スネ
106mg
85mg
(1食80g)
 牛スネ肉は足のふくらはぎの部位であり、筋が多くて硬いのですが、煮込むとコラーゲンが溶け出してトロトロになるため、シチューなどの煮込み料理で重宝されています。牛スネ肉のプリン体含有量は100gあたり106mgとなっています。

牛ヒレ
98mg
79mg
(1食80g)
 牛ヒレ肉は一頭からとれる量が少ない部位ですが、脂身が少なく、肉質がきめ細かく、なんと言っても軟らかいのが特徴で、ステーキや牛カツなどで人気があります。シャトーブリアンというステーキは、ヒレの一番太い部分を使ったものです。牛ヒレ肉のプリン体含有量は100gあたり98mgとなっています。

牛リブロース
74mg
59mg
(1食80g)
 牛リブロース肉は肩ロースとサーロインの間に位置する部位であり、赤身と脂身のバランスがよく、風味とコクがあり、肉本来のおいしさを味わうことができるため、ステーキやローストビーフとして食されています。牛リブロース肉のプリン体含有量は100gあたり74mgとなっています。

牛ミスジ
104mg
83mg
(1食80g)
 牛ミスジ肉は1頭からわずか2キロしかとれない希少部位であり、木の葉のような形が特徴です。とても軟らかく、ステーキや焼き肉で人気の部位です。牛ミスジ肉のプリン体含有量は100gあたり104mgとなっています。

牛肩バラ
77mg
62mg
(1食80g)
 牛肩バラ肉は肩と言いつつも、前足つけ根のあたりに位置しており、ブリスケと三角バラが肩バラに該当します。筋肉質でやや硬く、脂が多くのっているのが特徴で、煮込み料理や焼き肉として食されています。牛肩バラ肉のプリン体含有量は100gあたり77mgであり、脂身が多い分、他の部位に比べるとプリン体が少なくなっています。

牛肩ロース
90mg
72mg
(1食80g)
 牛肩ロース肉は肉質のきめが細かく、脂肪も程よく霜降り状になっているため、やわらかい部位です。そのため、すき焼きやしゃぶしゃぶ、焼き肉として食されています。牛肩ロース肉のプリン体含有量は100gあたり90mgとなっています。

牛首肉(ネック)
101mg
81mg
(1食80g)
 首の部分の肉で、ネックとも呼ばれます。普段からよく動かすため、脂肪分が少なく肉質は硬めであり、こま切れやひき肉、煮込み料理に利用されています。牛ネックのプリン体含有量は100gあたり101mgとなっています。

牛レバー
220mg
176mg
(1食80g)
 牛の肝臓であり、レバーにはビタミンAをはじめとするビタミン類や、鉄などのミネラルなど、栄養価が非常に高い食材です。レバーは一般的にプリン体含有量が非常に多く、牛レバーにはプリン体が100gあたり220mgも含まれていますので注意が必要です。

牛タン
90mg
72mg
(1食80g)
 舌の部分の肉で、つけ根は脂肪が多くて軟らかく、舌尖(舌の先)はやや硬いのが特徴です。牛タンのプリン体含有量は100gあたり90mgとなっています。

牛ハツ(心臓)
185mg
148mg
(1食80g)
 心臓の部分の肉で、ココロやハートとも呼ばれています。脂肪が少なく、筋繊維が多いため、コリコリとした歯触りが人気の部位で、薄切りにして焼き肉として食されています。牛ハツにはプリン体が100gあたり185mgも含まれていますので、食べ過ぎには注意が必要です。

牛ミノ(第1胃)
84mg
67mg
(1食80g)
 牛の第一胃であるミノは特有の風味と歯ごたえがあり、肉厚の部分は上ミノと呼ばれ、主に焼き肉で食されています。牛ミノのプリン体含有量は100gあたり84mgとなっています。

牛ホルモン
88mg
70mg
(1食80g)
 牛ホルモンと言えば内臓系の部位の中でも腸が一般的です。脂が多くのっており、焼き肉のほか、煮込み料理、鍋料理でも人気があります。牛ホルモンのプリン体含有量は100gあたり88mgとなっています。

牛ひき肉
90mg
72mg
(1食80g)
 牛ひき肉は牛肉のさまざまな部位をひいてミンチにしていますが、豚ひき肉に比べて脂が少なく、あらびきにしてハンバーグなどに使われています。牛ひき肉のプリン体含有量は100gあたり90mgとなっています。


料理名から
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鶏肉のプリン体含有量


 鶏肉は豚肉や牛肉に比べてプリン体が多めの傾向があり、どの部位も100gあたり100mg以上のプリン体が含まれています。ヘルシーなイメージのあるササミ肉にはもも肉よりも多い153.9mgが含まれていますが、プリン体含有量としてはそこまで多いという訳ではありません。鶏肉で最も気をつけるべきは、レバーです。豚も牛もレバーには多くのプリン体が含まれていますが、鶏レバーにはそれらを上回る100gあたり312.2mgものプリン体が含まれており、プリン体が非常に多い食材であると言えます。

食品名 プリン体含有量
(100gあたり)
プリン体含有量
(1食・目安)
鶏モモ肉
123mg
98mg
(1食80g)
 鶏モモ肉は旨味とコクがある部位で、脂肪分が多くジューシーな触感であるため、ローストレッグやから揚げで人気があります。鶏モモ肉のプリン体含有量は100gあたり123mgとなっています。

鶏胸肉
141mg
113mg
(1食80g)
 鶏胸肉は脂肪分が少なく、肉質が柔らかいのが特徴で、淡白であっさりとした味わいの部位です。から揚げやフライ、鶏ハムとして食されています。鶏胸肉のプリン体含有量は100gあたり141mgとなっています。

鶏ササミ
154mg
123mg
(1食80g)
 笹の葉に似ていることからささみと呼ばれており、胸骨に沿って1本ずつ、一羽に2本ある部位です。脂肪分が非常に少なく、淡白であっさりとした味わいで、ヘルシーな肉として知られています。鶏ササミ肉のプリン体含有量は100gあたり154mgであり、比較的多く含まれていますので注意しましょう。

鶏手羽
138mg
110mg
(1食80g)
 一言で手羽と言っても、手羽先、手羽中、手羽元という部位に分けることができます。手羽元は手羽中に比べるとやや硬いものの、煮込むと骨からよいスープをとることができます。鶏手羽のプリン体含有量は100gあたり138mgとなっています。

鶏皮
120mg
48mg
(1食40g)
 鶏皮には脂肪分が多いため、黄色い脂肪分を取り除いてから調理するのがおすすめです。じっくり焼くと適度に脂が落ち、カリカリとした食感を楽しむことができます。鶏皮のプリン体含有量は100gあたり120mgとなっています。

鶏レバー
312mg
250mg
(1食80g)
 鶏の肝臓であり、レバーにはビタミンAをはじめとするビタミン類や、鉄などのミネラルなど、栄養価が非常に高い食材です。レバーは一般的にプリン体含有量が非常に多く、鶏レバーにはプリン体が100gあたり312mgも含まれていますので注意が必要です。

鶏砂肝
143mg
57mg
(1食40g)
 鶏砂肝は「肝」となっていますが肝臓ではなく、胃の筋肉の部分であり、コリコリとした食感が特徴です。おもに焼き物や揚げ物として食されています。砂肝のプリン体含有量は100gあたり143mgとなっています。

鶏ハツ
125mg
50mg
(1食40g)
 鶏の心臓部分であり、ココロやハートとも呼ばれています。脂肪が少なく、筋繊維が多いため、コリコリとした歯触りが特徴で、串焼きや炒め物として食されています。鶏ハツのプリン体含有量は100gあたり125mgとなっています。


料理名から
プリン体を調べる


羊肉のプリン体含有量

 ヘルシーなイメージのある羊肉のプリン体含有量は比較的少なく、マトン肉、ラム肉いずれも100gあたり100mgを下回っており、安心して食べることができます。羊肉にはカルニチンという脂肪燃焼を助けるアミノ酸が多く含まれていますので、日々の食生活に上手に取り入れてみましょう。

食品名 プリン体含有量
(100gあたり)
プリン体含有量
(1食・目安)
マトン
96mg
77mg
(1食80g)
ラム
94mg
75mg
(1食80g)


鹿肉・猪肉・馬肉・鴨肉・鯨肉のプリン体含有量

 鹿肉、猪肉、馬肉、鴨肉、鯨肉のプリン体含有量はそれぞれ大きく異なっており、鴨肉が100gあたり164mgであるのに対し、猪肉は92mgであり、大きな差があります。鹿肉や馬肉は脂肪が少なくヘルシーなイメージがありますが、だからと言ってプリン体が少ない訳ではありません。肉それぞれのプリン体含有量を把握しておきましょう。

食品名 プリン体含有量
(100gあたり)
プリン体含有量
(1食・目安)
鹿肉
140mg
112mg
(1食80g)
猪肉
92mg
74mg
(1食80g)
馬肉
141mg
113mg
(1食80g)
鴨肉
164mg
131mg
(1食80g)
鯨肉
111mg
89mg
(1食80g)




食品別にプリン体含有量を調べる

料理・外食 魚類
魚介類 魚介類加工品
豆類 穀物類
卵・乳製品 調味料
野菜類 きのこ・海藻
肉類 肉加工品
健康食品 酒類


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薬剤師のイメージ
<この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属 薬剤師 松田俊浩※
<著者の略歴>
 痛風全般はもちろんのこと、血液の病気や栄養学を専門として活動しており、痛風の正しい知識や食事療法の指導を行っている。