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痛風の合併症を予防する食生活とは

 肥満は尿酸値を高くしてしまうほか、痛風患者の多くが生活習慣病を合併しており、生活習慣病の悪化を抑えるためには、日々の食生活を見直し、栄養バランスのとれた食事を心がける必要があります。また、血糖値の急激な上昇を防ぐため、規則正しい食事を心がける必要もあります。

<この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※

栄養バランスが痛風の合併症を予防する

 適正なエネルギー量を守っても、栄養に偏りがあると効果的な食事療法とはいえません。またカロリーを抑えるために炭水化物を控える人がいますが、これは結果的に高タンパク・高脂肪の食事になりがちで、かえって生活習慣病を促進してしまう事にもなります。

 理想的な栄養バランスとしては、1日の摂取エネルギーの50〜60%を炭水化物から、15〜20%をタンパク質から、残り20〜30%を脂質から摂取するのがよいとされています。

 炭水化物、タンパク質、脂質に加えてビタミン、ミネラルの摂取も大変重要になってきます。これらを合わせて五大栄養素と呼んでおりますが、近年では食物繊維の効用も注目されており、第六の栄養素として加えることもあります。

 食事ごとにきちんと栄養バランスの取れた献立にするのが理想的ですが、なかなか難しいことなので1日3食の中で調整するようにしましょう。例えば昼はザルソバ一杯ですませたなら、夜はタンパク源と野菜を多めに摂るなどです。





食事は規則正しく…でもどうして?

 摂取エネルギー量が適正であれば、何をいつ食べてもよいという事にはなりません。例えば、一日2回の食事と一日3回の食事、一日の摂取カロリーは同じでも体に与える影響に違いがあります。

 私たちの体は食事から糖分を吸収してエネルギー源とするため、食事後は血糖値が上昇します。その後、血糖値を下げるために膵臓からインスリンというホルモンが分泌されますが、食事の時間が空くほど血糖値が急上昇しやすいため、インスリンも大量に分泌されます。

 インスリンには血糖値を下げるために糖を細胞に取り込ませる働きがあるため、結果肥満になりやすくなります。また、日常的にインスリンが大量分泌されていると、インスリンを分泌する膵臓が疲弊し、インスリンの分泌量が低下していきます。すると血糖値をコントロールできなくなり、糖尿病を発症することになります。

 痛風患者にとって糖尿病はなりやすい合併症の1つです。痛風と糖尿病を併発すると、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが非常に高くなります。食事は一回にまとめてドカ食いをするのではなく、規則正しい間隔で適正エネルギーを摂取することが肥満や糖尿病の発症予防にとても大切です。

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薬剤師のイメージ
<この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属 薬剤師 松田俊浩※
<著者の略歴>
 痛風全般はもちろんのこと、血液の病気や栄養学を専門として活動しており、痛風の正しい知識や食事療法の指導を行っている。