肥満と尿酸値は相関しており、肥満になると尿酸の排泄量が低下して尿酸値が高くなる一方で、減量すると尿酸の排泄量が多くなることがわかっています。痛風になりやすくなる30代から肥満が増加する傾向がありますので、食生活を見直し、体重管理に気をつけるようにしましょう。
痛風治療というと、「いかにプリン体の摂取を抑えるか」というイメージを持っている方がたくさんいます。たしかにプリン体を摂り過ぎないようにすることは大切ですが、食事由来のプリン体が体内に存在するプリン体全体のの2〜3割であることを考えると、尿酸値を下げるためには他にやるべきことがあることがわかります。
近年の痛風における食事療法では、日々の摂取エネルギー量を適正にすることが重要視されています。実際、食べ過ぎ・飲み過ぎなどで食生活が乱れ、肥満傾向にある人は尿酸値も高くなる傾向があります。
肥満が高尿酸血症を引き起こす原因ははっきりとはわかっていませんが、肥満になると尿酸の排泄量が低下し、減量すると排泄量が多くなることは明らかになっています。
また、肥満は痛風だけでなく、糖尿病や高血圧症などの合併症を併発しやすくなり、生活習慣病のリスクが格段に上がりますので、日々の食生活を見直し、エネルギー摂取量を抑え、減量する必要があります。
あなたのストレスが尿酸値を上げる
現在日本では成人男性の3割、成人女性の2割が肥満であることがわかっています。人間は生命を維持するために心臓を動かしたり、体温を保つなどの活動を無意識に行っており、これら生命維持に最低限必要な体の活動を基礎代謝といいます。
この基礎代謝は筋肉量に比例しており、年齢とともに筋肉量が少なくなると基礎代謝も少なくなります。そのため、若い頃と同じ量の食生活を続けていると、必然として太りやすくなります。
日本では男女ともに30代から肥満者が増える傾向にあり、なかでも男性は急激な増加が見られます。これは上記の基礎代謝の低下に加えて、仕事の帰りが遅くなって食事の時間が遅くなる、会社の付き合いで外食が多くなるなど、食生活の変化が要因としてあげられます。
高尿酸血症患者の約95%が男性であることを考えると、男性は30代から食生活を見直す必要があります。
その生活習慣があなたを痛風にする
自分が肥満かどうかの判定をする方法のひとつにBMI法というものがあります。これは以下の式から求められたBMI指数をWHO(世界保健機構)による6段階の分類で判定するものです。
BMI指数=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
BMI指数 | 判定 |
---|---|
18.5未満 | 低体重 |
18.5〜25未満 | 普通体重 |
25〜30未満 | 肥満1度 |
30〜35未満 | 肥満2度 |
35〜40未満 | 肥満3度 |
40〜 | 肥満4度 |
<BMI法で求めた理想体重一覧はこちら>
1日の適正エネルギー量:標準体重(kg)×30(kcal)
日本人の場合、22が一番余命が長いという統計がありますので、この数値を目標として減量に取り組む必要があります。ただし、食事量を極端に減らして急に体重を落とそうとすると、血中の尿酸が増えて痛風発作が起きやすくなります。
肥満の人は1日およそ1600キロカロリーの摂取を目安として、1ヵ月に2kg減くらいのペースで、ゆっくりと目標体重を目指しましょう。このほうがリバウンドも起きにくくなります。肥満でない人は1日1800キロカロリーを目安に食事の摂取エネルギーを考えるようにしましょう。
尿が○○になると尿酸値が下がる