痛風発作はある日突然襲ってきます。突然の出来事であることと、あまりの痛さにパニックになりますが、なんとかしようと対処法を間違うと、さらに悪化して大変なことになります!まさに運命の分かれ道、痛風発作が起きたらやるべき事、ダメな事とは?対処法を正しく理解しておきましょう。
痛風発作は夜中から朝方にかけて襲ってくることが多いです。夜寝ようとする時に「おや、足の指がピリピリするような・・・」と違和感を感じるかもしれません。実はそれが痛風発作のサインなのです。
痛風発作の経験がある人はその違和感が「前兆」だとわかりますが、痛風発作を経験したことがない人は大抵の場合「まあ、いいや」と寝てしまいます。
ところが深夜に激しい痛みを感じて飛び起きます。眠るどころではない痛さなのです。この時、この痛みを軽くするならどんなことでもすると思うはずです。
初めて発作に襲われると、あまりの痛みでパニックになる場合もあります。間違った対処をすれば余計に悪化させてしまうこともあるため、あらかじめ起こった際の対処法を知っておくことが大切です。
痛風発作を経験したことがない人は、足の違和感から痛風を疑うのは難しいといえます。しかし、発作を経験したことがある人は、足関節の違和感から前兆を感じ取ることが可能です。
前兆の感じ方や症状の現れ方には個人差があり、ピリピリ、ムズムズ、チクチク、ジンジンといった足の違和感を直前に感じる人もいれば、一日前に感じる人もいます。
突然に襲ってくる激痛でパニックにならないよう、前兆となるサインを見逃さず、痛風発作に備えることが大切です。
痛風発作は一度発症してしまうと、炎症をすぐに鎮めるような特効薬はありません。しかし、前兆を感じた段階でコルヒチンを服用すれば高い確率で回避することが可能です。服用が遅くなるほど、コルヒチンの効果は減少していきます。
痛風発作の症状として一番に挙げられるのは、なんといっても「激痛」です。患部が赤く腫れ上がり、耐え難い激痛を伴います。経験したことがない人は「昨日まで何もなかったのになぜ!?」と疑問を抱きます。
しかし、痛風は血液中の尿酸値が限界値を超える事で結晶化し、そこに炎症反応が起こることで発症するため、突然に発症することは不思議な事ではありません。
痛風の症状の90%以上が膝から下で起こり、中でも70%は足の親指付け根で起こります。足が激痛を伴って腫れ上がっているため、歩くこともままならず、靴を履くなど到底できません。
痛風の症状には4つの特徴があり、激痛のほか、局所熱感(炎症部位が熱を持つ)、腫脹(炎症部位が腫れ上がる)、発赤(炎症部位がテカテカと光り赤くなる)が挙げられます。患部にこのような特徴が見られた場合は痛風が強く疑われます。
痛風発作の激痛とも言える痛みを和らげる応急措置として、以下のような対処法があります。
患部を冷やす
関節に炎症が起きている状態なので、とにかく冷やすことです。氷や水、湿布などで熱を持った患部を冷やしましょう。
患部を心臓より高くする
患部を心臓の位置より高くすることで静脈のうっ血を防ぐ事ができます。こうすると痛みが和らぎます。
安静にする
患部を動かさずにじっとしているのが一番です。歩き回ったりマッサージなどをするとますます痛みが増してしまいます。
なるべく早く受診する
もっとも楽になる方法はなるべく早く医師の診察を受け、症状を和らげる治療を受ける事です。
痛風発作は体内にできてしまった尿酸結晶を白血球が攻撃することで起こります。つまり激しい炎症反応が起こり、赤く腫れ上がったり、熱を帯びたりします。炎症反応は血行がよくなるほど強くなるため、以下のような血行を促進するような行動は痛風発作を悪化させてしまいます。
患部に温湿布を貼る
患部をマッサージする
お風呂に入って患部を温める
お酒を飲む
アスピリン系の鎮痛薬を飲む
痛風発作を何回か経験している人は、患部のピリピリとした違和感で発作の前兆を感じることが多いようです。そんな時に有効なのがコルヒチンです。これを発作前に飲む事で未然に発作を防ぐ事ができます。ただし、激痛が始まってから服用しても効果がありません。
また普段から尿酸値を下げる薬を飲んでいる人で、発作が起きた時に症状を軽くしようと処方量を超えて飲んでしまう人がいます。これはかえって症状が悪化したり、別の副作用がでることがありますので、今飲んでいる尿酸降下薬の処方量を守ってそのまま飲んでください。
また、今まで尿酸降下薬を飲んだ事がない人や、以前飲んでいたがしばらく飲んでいない人の場合は、痛風発作が起きた時に尿酸降下薬を飲んではいけません。まず炎症を抑え、痛みを和らげる抗炎症薬で痛風発作の治療を行い、1〜2週間後に発作が落ち着いてから病型に合った尿酸降下薬を飲み始めます。
アスピリン系の鎮痛薬を飲むと、かえって関節炎が長引く事があるので服用は避けてください。さらに痛め止めのつもりでアルコールを飲む人がいますが、これもかえって炎症を悪化させるので発作時は禁酒です。