痛風の食事といえば以前はプリン体の摂取量が厳しく制限されていましたが、プリン体の多くは体内で生成されていることがわかり、摂取制限は緩和されています。食事からの摂取量はどのくらいまで大丈夫なのでしょうか?
尿酸の原料となるプリン体には、食物から摂取するものと、体内で合成されるものがあります。
かつて痛風の患者さんはプリン体を含む食品を厳しく制限されていましたが、最近の研究で食品に含まれているプリン体のほとんどが腸管内で分解されてしまう事がわかってきました。
つまり食事から摂るプリン体より、体内で合成される方がはるかに多く、食事から摂るプリン体が全体の2〜3割、体内合成されるのが全体の7〜8割となっています。
また、実際に食べ物からのプリン体を制限しても、血中の尿酸値は1.0mg/dl程度しか低下しない事も明らかになっています。さらに尿酸代謝の研究が進み、尿酸コントロールする薬剤が開発された事も、痛風患者さんの食事による摂取制限が緩和された原因のひとつです。
いくら食品から摂ったプリン体が分解されるといっても、過剰摂取は尿酸値に少なからず影響を与えるため問題となります。
日常の食事ではそれほど気にする必要はありませんが、プリン体を多く含むレバーなどの内臓類をたくさん食べ続けるのは避けるべきです。
また珍味や干物も多く含んでいるので、食べ過ぎには注意が必要です。100g当たり200mg以上のプリン体の多い食品にどのようなものがあるのかを把握し、あまり高プリン体食品を食べないよう注意が必要です。
食品に含まれるプリン体量を把握し、食品からの摂取は1日400mgを超えないようにしましょう。
痛風の原因として「プリン体」が有名ですが、そもそもプリン体とは一体なんでしょうか?実は痛風の原因になるのは「尿酸」という物質で、プリン体は尿酸の原料となります。
つまり、体内のプリン体が多いほど、痛風の原因となる尿酸が体内でたくさん作られてしまうのです。
プリン体はプリン環と呼ばれる化学構造を持つ物質で、プリン体から作られる尿酸もプリン体の一種と言えます。
プリン体は痛風の原因になる悪者のイメージがありますが、実は体内では細胞のDNAを構成する非常に大切な物質です。
体内に存在するプリン体は細胞が生まれ変わる過程や、エネルギー代謝の過程で発生し、尿酸に変わります。尿酸は老廃物として尿や汗から体外に排泄されますが、排泄がうまくいかなかったり、尿酸が過剰に生成されると結晶化し、その部位に炎症が発生して痛風となります。
プリン体・尿酸をもっと詳しく
プリン体は細胞を構成する物質であるため、すべての食品に含まれています。そして、もちろん私たちの体にとってもプリン体は必要不可欠なものです。
前述のように体内のプリン体に占める食事由来の割合は低いため、高プリン体食品を避ける事は大切ですが、あまり数値ばかりを気にする必要はありません。
特に肉や魚などのタンパク質源には野菜に比べてプリン体が多く存在しますが、タンパク質もまた大切な栄養素です。痛風は糖尿病や高血圧症などの生活習慣病と密接な関係にありますので、栄養バランスのよい規則正しい食生活が痛風の食事療法にとって最も大切です。
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