痛風の原因として高尿酸血症が知られていますが、血液中の尿酸のバランスを崩す原因には食生活や飲酒、激しい運動、ストレスなどが挙げられます。日頃の無意識な生活習慣が尿酸値に影響を与えていることもありますので、痛風の原因となる生活習慣について、正しく理解しておきましょう。
痛風の原因はなんといっても高尿酸血症です。体内で産生する尿酸と排泄する尿酸のバランスが崩れると、血中の尿酸値が上昇し高尿酸血症となるわけです。
このバランスを崩す原因としては、栄養の過剰摂取やアルコールの飲み過ぎ、精神的なストレス、肥満、運動不足などが考えられます。また、痛風患者さんの20%は親や兄弟、親戚に痛風の人がいることから、遺伝的な要因も考えられます。
これまで痛風は40〜50代の男性がかかりやすいとされてきましたが、近年では発症ピークが下がり、30代の働き盛りの男性が最も発症しやすくなっているとされています。また患者数も年々増加傾向にあります。このような原因には以下のことが考えられます。
もともと日本の食生活は米と野菜が中心で、肉を食べる機会はあまりありませんでした。しかし高度経済成長、生活が豊かになるとともに食卓に肉が上がる機会が増え、今では高タンパク・高脂肪の食生活が日常的になりました。
その結果肥満や生活習慣病の患者数が増えていき、高尿酸血症の患者も増加してきました。肥満指数(BMI)が上がるとともに高尿酸血症にかかる人も増え、肥満指数25以上の人の約70%が高尿酸血症にかかっているというデータもあります。
アルコールは尿酸のもとになるプリン体を増加させる上に、尿酸の排泄量を低下させるので、結果として尿酸値を上げる原因になってしまいます。
実際、痛風患者さんにはアルコールを長い間多く飲み続けてきた人が少なくありません。特にビールには尿酸の元になるプリン体が多く含まれているので注意が必要です。
運動は体によいものですが、体力を消耗するような激しい運動はかえって尿酸値を上昇させてしまいます。エネルギーの消耗で尿酸が増えるほか、腎臓への血流量が減るため、排出量も低下するからだと考えられています。
ただし軽い運動はオススメです。運動をすることで尿酸を直接減らせるわけではありませんが、痛風の背景に肥満などの問題がありますので、適度な運動をすることで肥満を解消し併発しやすい生活習慣病を改善するなどさまざまな効果が期待できます。
運動で汗をかくと体内の水分量が減少し、血液が濃縮される事で尿酸値が高くなってしまいます。運動で汗をかく際には、水分摂取を欠かさずする必要があります。
痛風の原因として食生活の問題点だけ考えられがちですが、ストレスも無視できない問題です。痛風患者を見てみると、活動的で責任感の強いタイプなどストレスを受けやすい立場の人ほど痛風にかかりやすいというデータがあります。
痛風の改善には食生活を見直すだけではなく、ストレスを適度に解消するなど環境改善も必要となってきます。
食生活だけの問題ではなく、病気や薬(利尿薬や喘息薬など)の服用によっても尿酸値が上がる事があります。またDNA・RHAなどの核酸を大量に含んだ健康食品にも尿酸値を上げる働きがあります。
痛風を起こしやすい性格とは?