痛風になったらお酒はダメ、特にプリン体が多いと言われているビールは避けなければならないと言われていますが、実際のところ、ビールやワイン、日本酒、ウイスキーなどに含まれているプリン体含有量はどれくらいなのでしょうか。お酒の種類別に含有量を見ていきましょう。
ビールはプリン体が多いと言われていますが、その原因はビールの原料となる大麦の麦芽にあります。麦芽に含まれている核酸が分解するとプリン体が生成されるため、ビールは自ずとプリン体が多くなってしまいます。ビールや発泡酒、地ビールなどによってプリン体の含有量が異なりますが、これは製造工程で使用する麦芽の量によるものです。
一方で、ウイスキーも麦芽を原料としていますが、プリン体はほぼ含まれていません。ウイスキーやブランデー、焼酎などの蒸留酒は、製造する過程でプリン体が取り除かれるため、プリン体含有量は非常に少なくなります。お酒に含まれているプリン体の量が気になる場合は、蒸留酒を選ぶようにしましょう。
食品名 | プリン体含有量 (100gあたり) |
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プリン体含有量 (1食・目安) |
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ウイスキー![]() |
0.1mg |
0.1mg (1回60mL) |
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ウイスキーは大麦やライ麦、とうもろこしなどの穀物を麦芽の酵素で糖化し、発酵によって発生したアルコールを蒸留したものです。蒸留することによって穀物由来のプリン体はほぼ除かれるため、ウイスキーのプリン体は100gあたり0.1mgとなっています。 |
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ハイボール![]() |
0.0mg |
0.0mg (1回350mL) |
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ハイボールはウイスキーを炭酸水で割ったお酒ですが、ウイスキーが蒸留酒であるため、原料由来のプリン体をほとんど含んでおらず、ウイスキーから作られるハイボールも同様にプリン体をほとんど含んでいません。 |
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ブランデー![]() |
0.4mg |
0.2mg (1回60mL) |
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ブランデーはワインと同様にぶどうを原料としてつくられています。ぶどうを圧搾して取り出した果汁を蒸留するため、果物の香り成分が濃縮したお酒となります。蒸留することによってぶどう由来のプリン体はほぼ除かれるため、ブランデーのプリン体は100gあたり0.4mgとなっています。 |
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焼酎![]() |
0.0mg |
0.0mg (1回90mL) |
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焼酎の原料はさまざまあり、代表的なものとして米やさつまいも、大麦などが挙げられます。これらの原料をアルコール発酵し、蒸留して作られています。蒸留することによって原料由来のプリン体はほぼ除かれるため、焼酎のプリン体は100gあたり0.0mgとなっています。 |
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泡盛![]() |
0.0mg |
0.0mg (1回90mL) |
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泡盛は米(主にタイ米)と黒麹菌によってアルコール発酵し、蒸留することでつくられており、酒税法上では単式蒸留焼酎に分類されています。蒸留することによって原料由来のプリン体はほぼ除かれるため、泡盛のプリン体は100gあたり0.0mgとなっています。 |
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梅酒![]() |
0.2mg |
0.2mg (1回90mL) |
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梅酒は青梅をアルコール度数20度以上のお酒に漬け込んでつくられています。ベースとなるお酒によって特徴が変わり、長く寝かせることで風味が深くなっていきます。一般的にはお酒にホワイトリカー(何度も蒸留した焼酎)を使用するため、梅酒のプリン体含有量は非常に少なく、100gあたり0.2mgとなっています。 |
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日本酒![]() |
1.2〜1.5mg |
2.2〜2.7mg (1回180mL) |
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日本酒は米と麹、水を原料とし、アルコール発酵させてつくられたお酒です。日本酒は蒸留酒と違って原料に含まれているプリン体がお酒に残っていますので、日本酒のプリン体含有量は100gあたり1.2〜1.5mgとなり、ウイスキーや焼酎のような蒸留酒に比べるとプリン体含有量が多くなります。 |
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ワイン![]() |
0.4mg |
0.8mg (1回200mL) |
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ワインはぶどうを原料とし、ブドウ果汁に含まれている糖分を酵母によってアルコール発酵してつくられたお酒です。赤ワインは皮ごと発酵させているため、ポリフェノールが多く含まれています。ワインに含まれているプリン体は100gあたり0.4mgであり、同じ醸造酒である日本酒に比べるとプリン体が少ないと言えます。 |
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紹興酒![]() |
7.7〜11.6mg |
6.9〜10.4mg (1回90mL) |
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紹興酒はもち米と麦麹、酒薬、そして鑑湖という湖の水を使ってアルコール発酵させたお酒です。日本酒などと同様、穀物を原料とした醸造酒ですが、紹興酒は日本酒に比べるとプリン体含有量が多く、100gあたり7.7〜11.6mgとなってます。 |
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ビール![]() |
3.3〜8.4mg |
16.6〜42.1mg (1回500mL) |
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ビールはプリン体が多いと言われていますが、それは原料の大麦麦芽に由来しています。酒税法によってビールは麦芽比率が50%以上と定義されているため、麦芽が50%未満でもよい発泡酒と比べてプリン体含有量が多く、100gあたり3.3〜8.4mgとなっています。 |
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地ビール![]() |
4.6〜16.7mg |
16.0〜58.3mg (1回350mL) |
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地ビール(クラフトビール)は酒税法上ビールと同じですが、麦芽をふんだんに使用したものもあり、含まれるプリン体が通常のビールに比べて多いものもあります。地ビールのプリン体含有量は100gあたり4.6〜16.7mgとなっており、飲み過ぎには注意が必要です。 |
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発泡酒![]() |
2.8〜3.9mg |
9.9〜13.7mg (1回350mL) |
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発泡酒はビールに比べて少ない麦芽量で製造することができるため、発泡酒に含まれてるプリン体量はビールに比べると少ない傾向があります。発泡酒のプリン体含有量は100gあたり2.8〜3.9mgとなっており、ビールに比べると少ないとは言っても、より少ない蒸留酒を選ぶ方が賢明です。 |