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魚類(かつお・うなぎ・あんこうなど)のプリン体含有量

 かつおやうなぎ、あんこうなど、魚類はプリン体が多いイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。魚類がすべてプリン体が多いという訳ではなく、種類や部位によって含有量は大きく異なり、実は含有量が少ない食材もあります。イメージにとらわれず、魚類に実際に含まれているプリン体の量を確認していきましょう。

<この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※

魚類のプリン体含有量(100gあたり200mg以上)

 プリン体含有量が多い食材(100gあたり200mg以上)として、イワシやカツオが挙げられます。イワシは良質な脂質やカルシウムを豊富に含み、ヘルシーな食材として知られていますが、実はプリン体が多い食材です。

 干物にすると水分が減って栄養価が濃縮しますが、100gあたりのプリン体含有量も多くなりますので、食べ過ぎには注意が必要です。また、あんこうの肝は生の状態では100gあたり104mgしかプリン体を含んでいませんが、酒蒸しにする凝縮し、100gあたり399mgにもなりますので注意が必要です。

食品名 プリン体含有量
(100gあたり)
プリン体含有量
(1食・目安)
あんこう(肝・酒蒸し)
399mg
60mg
(1食15g)
 生のあん肝に含まれるプリン体は100gあたり104mgですが、酒蒸しにすることで濃縮され、100gあたり399mgと非常に多くなります。あん肝という食材自体、脂質が多く含まれていますので、食べ過ぎず、可能な限り避けることが賢明です。

かつお
211mg
169mg
(1食80g)
 かつおのプリン体含有量は100gあたり211mgであり、意外にもプリン体が多い食材です。かつおのたたきなど、おいしくてパクパク食べてしまいがちですが、プリン体が多い食材であることを認識し、食べ過ぎないようにしましょう。

まいわし
210mg
105mg
(1食50g)
 いわしは良質な脂質に富んでおり、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)、オレイン酸やパルミチン酸などの不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。そのため、いわしには健康的な食材のイメージがありますが、実はプリン体含有量が多く、食べ過ぎには注意が必要です。


料理名から
プリン体を調べる


魚類のプリン体含有量(100gあたり100〜200mg)

 多くの魚類はプリン体含有量が100gあたり100〜200mgであり、食べ過ぎなければプリン体の摂取量にそこまで神経質になる必要はありません。魚類にはカルシウムを始めとするミネラルや、骨をつくるビタミンD、良質な脂質などが多く含まれているため、プリン体を多く含んでいる魚を理解し、日々の食生活に上手に取り入れていきましょう。

食品名 プリン体含有量
(100gあたり)
プリン体含有量
(1食・目安)
あいなめ
129mg
103mg
(1食80g)
 あいなめはあぶらめとも呼ばれ、糖質、脂質、たんぱく質の代謝に関わっているビタミンB2や、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、強い抗酸化作用を持つビタミンEを含んでいます。あいなめのプリン体は魚類の中では標準的な含有量となっています。

あまだい
119mg
95mg
(1食80g)
 あまだいは鯛の仲間ではなく、違う種類の魚に鯛という名前をつけた「あやかり鯛」です。脂肪分が少なく、カリウムを始めとするミネラルを多く含んでいます。プリン体の量は100gあたり119mgであり、魚類としては標準的な含有量となっています。

あんこう(肝・生)
104mg
31mg
(1食30g)
 酒蒸しのあん肝にはプリン体が非常に多く含まれていますが、生のあん肝のプリン体含有量は100gあたり104mgであり、他の魚類とあまり変わりありません。しかし、あん肝には脂質が多く含まれていますので、食べ過ぎず、可能な限り避けることが賢明です。

まぐろ
157mg
126mg
(1食80g)
 まぐろには良質なタンパク質のほか、ビタミンB6、ビタミンD、ビタミンE、鉄分や亜鉛が多く含まれています。また、脂肪分にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。

さわら
139mg
111mg
(1食80g)
 さわらの脂肪分にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸や、カリウムなどのミネラルが豊富に含まれています。プリン体の量は100gあたり139mgであり、魚類としては標準的な含有量となっています。

きす
144mg
86mg
(1食60g)
 きすは脂質が少なく、高たんぱくな白身魚であり、カリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラル類や、ビタミンD、ビタミンB12、ナイアシンなどを含んでいます。プリン体の量は100gあたり144mgであり、魚類としては標準的な含有量となっています。

いさき
149mg
164mg
(1食110g)
 旬のいさきには脂がしっかりのり、刺身や塩焼き、煮つけなど、さまざまな料理の食材に使えます。いさきの脂肪分にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。

とびうお
155mg
124mg
(1食80g)
 とびうおは脂質が少なく高タンパクな魚です。とびうおからとった出汁はあごだしと呼ばれ、上品な風味が楽しめます。プリン体の量は100gあたり155mgであり、少ないわけではありませんので、食べ過ぎには注意しましょう。

にじます
181mg
145mg
(1食80g)
 にじますはサケ科に属する魚であり、カリウムやカルシウムなどのミネラル類や、ビタミンDを多く含んでいます。プリン体の量は100gあたり181mgであり、魚の中では比較的多いほうですので、食べ過ぎには注意しましょう。

かます
148mg
118mg
(1食80g)
 尖った形が特徴的なカマスは世界中に分布している魚で、干物や塩焼き、煮つけ、天ぷら、から揚げなどの食材として活用されています。カリウムやカルシウムなどのミネラル類や、ビタミンB群、ビタミンDを多く含んでいます。

まだい
129mg
103mg
(1食80g)
 まだいは高タンパクでありながら低カロリーな魚で、たんぱく質には必須アミノ酸がバランスよく含まれています。また、うまみ成分であるイノシン酸も多く含まれています。プリン体の量は100gあたり129mgであり、魚類の中では標準的な含有量です。


料理名から
プリン体を調べる


食品名 プリン体含有量
(100gあたり)
プリン体含有量
(1食・目安)
ひらめ
133mg
67mg
(1食50g)
 ひらめは脂質が少なく、高タンパクな白身魚です。カリウムを豊富に含んでいるほか、脂質の代謝を促進するビタミンB2、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。

にしん
140mg
112mg
(1食80g)
 にしんは脂肪分にDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸を豊富に含んでいるほか、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも多く含んでいます。プリン体の量は100gあたり140mgであり、魚類の中では標準的な含有量です。

まあじ
165mg
116mg
(1食70g)
 まあじにはビタミンB1やビタミンB2、ビタミンDなどの各種ビタミン、カリウムなどのミネラルのほか、必須アミノ酸が豊富に含まれており、良質なタンパク源として栄養バランスに優れた食材です。プリン体の量は100gあたり165mgですので、食べ過ぎには注意しましょう。

まさば
122mg
98mg
(1食80g)
 まさばは脂肪分にDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸を豊富に含んでいるほか、アミノ酸の一種であるタウリンを多く含んでいます。タウリンは交感神経の働きを静めて血圧の上昇を抑える効果が期待できます。

ぶり
121mg
97mg
(1食80g)
 ぶりは脂肪分にDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸を豊富に含んでいるほか、脂質の代謝を促進するビタミンB2を多く含んでいます。プリン体の量は100gあたり121mgであり、魚類としては標準的な含有量となっています。

さけ
119mg
95mg
(1食80g)
 さけの身の橙色はアスタキサンチンという色素によるもので、強い抗酸化作用があります。また、カルシウムの吸収を促進し骨の成長を助けるビタミンDが豊富に含まれていますので、カルシウムが豊富に含まれているチーズなどの乳製品との相性が抜群です。

すずき
120mg
96mg
(1食80g)
 すずきにはレチノールやビタミンDが多く含まれています。レチノールは動物性のビタミンAのことで、皮膚や粘膜の保護に欠かせないビタミンです。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、骨の成長を助ける効果が期待できます。

ぎんだら
123mg
98mg
(1食80g)
 名前に鱈とついていますが、外見が鱈に似ているだけで鱈の仲間ではなく、北太平洋に生息する大型の深海魚です。ぎんだらのプリン体含有量は他の魚と大差ありませんが、何と言っても脂がたっぷり含まれていますので、脂の摂り過ぎに注意しましょう。

めかじき
132mg
106mg
(1食80g)
 めかじきは長く伸びた上顎が特徴の魚で、程よく脂がのり、薄いピンク色の身をしています。カリウムやリンなどのミネラルやビタミンD、良質な脂質が多く含まれており、プリン体含有量は魚としては標準的な100gあたり132mgとなっています。

ほっけ
150mg
120mg
(1食80g)
 ほっけは鮮度が落ちやすいため、干物などに加工されて流通してきた魚です。ほっけにはタンパク質が豊富に含まれているほか、カリウムやリンなどのミネラルも多く含まれています。プリン体は100gあたり150mgと決して少ないわけではありませんので、食べ過ぎには注意しましょう。

むつ
151mg
121mg
(1食80g)
 むつは大型の深海魚で、脂が非常に多くのっており、煮つけや塩焼きとして食べられています。むつのプリン体含有量は100gあたり151mgと決して少なくはなく、何より脂がたっぷり含まれていますので、脂の摂り過ぎに注意しましょう。

めばる
124mg
99mg
(1食80g)
 めばるは眼が大きいのが特徴的な魚で、煮つけがおいしいことで知られています。カリウムやカルシウムなどのミネラル類や、ビタミンB1やB2などのビタミンB群を含んでいます。プリン体の量は100gあたり124mgであり、魚類としては標準的な含有量となっています。

さんま
155mg
155mg
(1食100g)
 秋の風物詩とも言えるさんまの脂肪分にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。また、ビタミンB群やビタミンD、ビタミンE、ナイアシンなども多く含んでおり、栄養価の高い食材です。

まがれい
113mg
90mg
(1食80g)
 まがれいは高タンパク低脂肪の魚であり、脂質の代謝を助けるビタミンB2や、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、交感神経の働きを静めて血圧の上昇を抑えるタウリンが多く含まれています。プリン体の量は100gあたり113mgであり、食べ過ぎなければプリン体含有量に神経質になる必要はありません。

こはだ(このしろ)
187mg
150mg
(1食80g)
 コハダは成長によって名前が変わる出世魚であり、シンコ、コハダ、ナカズミ、コノシロと変わっていきます。コハダは江戸前寿司のネタとしてよく知られており、光ものとして酢じめしたものが使われています。プリン体含有量は100gあたり187mgで、比較的多く含まれていますので注意しましょう。

あゆ
133mg
53mg
(1食40g)
 あゆは高タンパクな魚であり、ビタミンB1やB2などのビタミンB群やミネラル分を多く含んでいますが、なかでもカルシウムを非常に多く含んでいます。プリン体の量は100gあたり133mgであり、魚類としては標準的な含有量となっています。

こい
103mg
82mg
(1食80g)
 こいにはビタミンB1やB2などのビタミンB群やビタミンDが豊富に含まれています。なかでもビタミンB1の含有量は魚介類の中でトップクラスで、糖質の代謝を助ける働きがあります。プリン体の量は100gあたり103mgであり、食べ過ぎなければプリン体含有量に神経質になる必要はありません。

どじょう
136mg
48mg
(1食35g)
 どじょうには脂質の代謝を助けるビタミンB2が非常に多く含まれており、含有量は魚介類の中でトップクラスです。ミネラル類も非常に多く、カルシウムの含有量もまた魚介類の中でトップクラスを誇っており、どじょうは栄養価の高い食材であると言えます。


料理名から
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魚類のプリン体含有量(100gあたり100mg未満)

 プリン体含有量が少ない(100gあたり100mg未満)魚類として、わかさぎ、はたはた、あんこう、うなぎが挙げられます。わかさぎは100gあたり95mg、はたはたは99mg、あんこう(白身)は70mg、うなぎは多そうなイメージがありますが、意外にも92mgとなっています。少ないと言っても食べ過ぎれば意味はありませんので、一日のプリン体摂取量を400mg以下にすることを意識し、これらの食材を上手に活用しましょう。

食品名 プリン体含有量
(100gあたり)
プリン体含有量
(1食・目安)
あんこう(白身)
70mg
42mg
(1食60g)
 あんこうの肝はプリン体が多いことで知られていますが、あんこう自体のプリン体が多いわけではなく、白身に含まれているプリン体含有量は100gあたり70mgしかなく、身の部分に関しては魚類の中でもプリン体が少ない魚であると言えます。

うなぎ
92mg
74mg
(1食80g)
 うなぎには体に抵抗力をつけるビタミンAや、疲労回復に効果のあるビタミンB1、成長を促すビタミンB2、老化を防ぐビタミンE、美肌に欠かせないコラーゲンなどが豊富に含まれています。プリン体が多いイメージがありますが、魚類の中では少なく、含有量は100gあたり92mgとなっています。

あなご
95mg
76mg
(1食80g)
 アナゴはうなぎによく似た細長い海水魚であり、世界中にたくさんの種類がいますが、日本で食されているのはマアナゴと呼ばれる種であり、寿司や天ぷら、蒲焼として人気があります。アナゴのプリン体含有量は100gあたり95mgであり、うなぎと同様に魚の中ではプリン体が少ないと言えます。

わかさぎ
95mg
95mg
(1食100g)
 わかさぎはフライや天ぷら、南蛮漬けなどが定番の魚ですが、わかさぎはなんと言ってもカルシウムが豊富で、100gあたり450mgも含んでいます。プリン体含有量は100gあたり95mgであり、魚類の中では少なく、食べ過ぎなければ心配はありません。

はたはた
99mg
20mg
(1食20g)
 はたはたは淡白な味わいですが、粘膜を正常に保つビタミンAや、脂質の代謝を助けるビタミンB2、強い抗酸化作用を持つビタミンEなどを含んでいます。プリン体含有量は100gあたり99mgと比較的少なく、食べ過ぎなければプリン体の量に対してあまり神経質になる必要はありません。

えんがわ
19mg
4mg
(1食20g)
 えんがわは背びれや尻びれの付け根の部分で、コラーゲンが多く、脂がのっており、炙ればトロっとした食感になる、人気の寿司ネタの1つです。プリン体は100gあたり19mgと非常に少なく、一回当たりの食べる量も少ないため、安心して食べることができます。





食品別にプリン体含有量を調べる

料理・外食 魚類
魚介類 魚介類加工品
豆類 穀物類
卵・乳製品 調味料
野菜類 きのこ・海藻
肉類 肉加工品
健康食品 酒類


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薬剤師のイメージ
<この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属 薬剤師 松田俊浩※
<著者の略歴>
 痛風全般はもちろんのこと、血液の病気や栄養学を専門として活動しており、痛風の正しい知識や食事療法の指導を行っている。