痛風発作がある程度治まったら、次は痛風の治療を行っていきます。診断基準に基づいて痛風かどうかを診断し、合併症の有無も調べていきます。痛風かどうかを調べる診断基準がどのようになっているのか、理解しておきましょう。
痛風の治療を始める前に、まずは今後の治療方針を決定する上で次の3つの事を調べます。
痛風かどうかの検査
尿酸値と高尿酸血症の原因を調べる
合併症を調べる
痛風かどうかを診断する場合には、以下に示す米国リウマチ学会が定めた診断基準に準じて行います。
@ 尿酸結晶が関節液中に存在すること | |
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A 痛風結石の証明 | |
B 以下の11項目のうち6項目以上を満たすこと | |
(a) | 2回以上の急性関節炎の既往歴がある |
(b) | 24時間以内に炎症がピークに達する |
(c) | 単関節炎である |
(d) | 関節に発赤がある |
(e) | 第一中足趾関節の疼痛または腫脹がある |
(f) | 第一中足趾関節の病変がある |
(g) | 片側の足関節の病変がある |
(h) | 痛風結節(確診または疑診)がある |
(i) | 血清尿酸値の上昇がある |
(j) | X線上の非対称性腫脹がある |
(k) | 発作の完全な寛解がある |
@ABのうちどれかが証明されること |
@の関節液の採取は発作の患部に注射針を刺して関節液を採取し、それを検査するものです。この方法は患者さんにとってかなりの苦痛を伴うので、実際は尿酸値などが正常で痛風と確定するのが難しい場合などに限って行われます。
この検査の主な理由としては、痛風発作を起こした時の尿酸値が高くなかったり、尿酸降下薬の服用により尿酸値が下がったために発作が起こる事もあるからです。
Aの痛風結節については、結節の組織を調べる生検が行われます。採取した組織を顕微鏡で調べ、尿酸結晶が見つかれば痛風結節と診断されます。しかし最近は痛風結節の発症もまれなので、この検査は一般的には行われていません。
Bについては診察や問診、血液検査などで確認する事になります。初めての発作で受診した場合は、医師は患者さんに発作の状況や生活状況、家族の病歴などを詳しく尋ねます。この問診によって痛風かどうかのの見当をつけ、その判断に基づいて検査が行われます。
3分でわかる痛風の原因