痛風という病気は高尿酸血症と背中合わせですので、血液検査によって高尿酸血症かどうかを調べる必要があります。また、尿酸値が高い人は腎臓に尿酸結晶が付着し、腎機能の低下が疑われることもあります。痛風の血液検査はどのように行うのか、正しく理解しておきましょう。
痛風の患者さんは当然のことながら高尿酸血症であるので、尿酸値は高い値を示します。ところが、尿酸値は食事や運動、精神状態でも変動するほか、明け方には高くなり夕方には低くなるという日内変動もあるため、いつも高いという訳ではありません。
つまり、検査前の食生活を節制する事で意図的に尿酸値を下げる事も可能なのです。このため、尿酸値の確定には日を変えて同じ時間に3回ほどの検査をし、その平均値をその人の尿酸値とします。
尿酸値は7.0mg/dlを超えると高尿酸血症と診断され、この基準は性別や年齢を問いません。
高尿酸血症が長引くと尿酸の結晶が腎臓に付着し、腎機能障害を起こしやすくなります。そのため、血液中の老廃物の量を測定して、腎機能の状態を調べる必要があります。
血液中の老廃物である尿素窒素、クレアチニン、そして尿酸などの窒素化合物は本来腎臓でろ過され、一定の量が尿として体外に排泄されます。よって血中に存在するこれらの量を測定する事で、腎臓の排泄機能の状態がわかるのです。
尿素窒素は体内で壊されるタンパク質の量で変化するため、食事内容に影響を受けます。またクレアチニンは筋肉内に発生する老廃物です。これらは体内で1日に作られる量がほぼ一定であるので、腎臓の排泄能力を反映しやすいとされています。
ただしクレアチニンの数値は腎機能がかなり低下しないと高い値にはなりません。そこで尿検査と併せて腎機能を検査する必要があります。
尿素窒素の正常値
…8.0〜20mg/dl
クレアチニンの基準値
1.2mg/dl未満…腎機能はほぼ正常
1.2〜2.0mg/dl…腎機能はほぼ中等度程度
2.0mg/dl以上…腎機能が低下している
尿検査で高尿酸血症を調べるには?