痛風の背景には高尿酸血症がありますが、痛風発作が起きない限りは無症状であり、病気であることを忘れたり、治療を怠ってしまう原因となります。特に薬物療法中であるにも関わらず、勝手な判断で量を減らしたり、やめてしまったりすると、せっかく下がった尿酸値が逆戻りとなってしまいます。ここでは痛風治療がうまくいかない理由について、わかりやすく解説していきます。
痛風が起こる背景には高尿酸血症があります。しかし高尿酸血症には自覚症状がないため、つい自分が病気である事を忘れてしまいます。
また、痛風発作時の激しい痛みとそれが治まってしまった後の大きな落差のせいか、「もう大丈夫」と自分で判断して尿酸コントロールを中断してしまう患者さんが少なくありません。
痛風の治療とは発作を抑えることではなく、その背後に隠れている高尿酸血症を治療する事なのです。発作は自分が高尿酸血症であることを知らせてくれる警報と考えてください。痛風発作が治ることは警報をとりあえず止めたにすぎません。
本格的に高尿酸血症の治療が始まると、尿酸降下薬が処方されます。普通少量から始め、血液中の尿酸値や尿中の尿酸値を測定しながら徐々に薬の量を増やし、3〜6ヶ月かけて今後の投与量を決めていきます。
この時に自分勝手に量を変え、薬を飲んだり飲まなかったりしてはいけません。医師は患者さんが処方量を守って服用している事を前提に、その後の治療を決めています。
ですから自分勝手なことをすると、結果として自分が正しい治療を受けられないという事になるのです。
また医師から処方された尿酸降下薬を飲み始めると、尿酸値は下がり安定してきます。すると「痛風が治った!」とばかりに薬をやめてしまう人がいます。これは大きな間違いで、薬をやめたらたちまちに高尿酸血症に後戻りしてしまいます。それまでの治療がすっかり無駄にもなりかねません。
また薬の服用に限らず、食事療法や運動療法などを多少の尿酸値の改善で中断することなく、気長にじっくりと継続していく気持ちが大切です。
本当に恐ろしいのは痛風の合併症