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きのこ・海藻(椎茸・舞茸・ワカメなど)のプリン体含有量

 キノコや海藻はヘルシーなイメージがあり、プリン体が少ないと思われがちですが、実際はどうなのでしょうか。キノコや海藻はどれもプリン体が少ないというわけではなく、種類によって含有量は大きく異なります。イメージにとらわれず、キノコや海藻に実際に含まれているプリン体の量を確認していきましょう。

<この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※

きのこのプリン体含有量


 きのこのプリン体含有量は全体的に少なく、プリン体を控えなければならない人にとってはうれしい食材です。干し椎茸の含有量は100gあたり380mgと非常に多く含まれていますが、これは乾燥で濃縮されているためで、一回の食事で摂取する量として換算すると心配する必要はありません。

食品名 100gあたりのプリン体
1食あたりのプリン体
(目安)
エリンギ
13mg
7mg
(1食50g)
 エリンギにはビタミンB1やビタミンB2、ナイアシンのほか、カリウムが多く含まれています。また、食物繊維も豊富に含まれており、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のいずれも含んでいますが、特に不溶性食物繊維を多く含んでいます。プリン体は100gあたり13mgしか含まれておらず、安心して食べることができます。

椎茸
21mg
8mg
(1食40g・2個)
 シイタケにはビタミンDの前駆体であるエルゴステリンが豊富に含まれています。エルゴステリンは日光や紫外線に当たると体内でビタミンDに変化し、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。プリン体含有量は100gあたり21mgと少なく、心配する必要はありません。

干し椎茸
380mg
15mg
(1食4g・2個)
 干し椎茸は乾燥によって栄養分が濃縮していますが、プリン体も濃縮しているため、プリン体含有量は100gあたり380mgと非常に多くなっています。しかし、実際は水で戻して食するため、生椎茸のプリン体含有量が100gあたり21mgであることを考えると、心配する必要はありません。

えのき
49mg
25mg
(1食50g)
 えのきにはビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、カリウムが多く含まれています。また、食物繊維も豊富に含まれており、腸内の善玉菌を増やすほか、コレステロールや腸内の有害物質を吸着して体外に排泄する効果が期待できます。

なめこ
29mg
6mg
(1食20g)
 なめこには食物繊維が多く含まれており、含有量は不溶性食物繊維が2.3g、水溶性食物繊維が1.0gとなっています。不溶性食物繊維は体内で消化吸収されることなく、便のかさを増して大腸の働きを活発にします。一方、水溶性食物繊維のペクチンは腸内をお掃除する働きがあると言われています。プリン体含有量は100gあたり29mgとなっています。

ひらたけ
142mg
71mg
(1食50g)
 ひらたけにはビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、カリウムが多く含まれていますが、プリン体含有量もキノコの中では多く、100gあたり142mgとなっています。これは肉や魚に匹敵する含有量ですが、一回当たりに食する量はそれほど多くなりませんので、食べ過ぎなければ問題ありません。



食品名 100gあたりのプリン体
1食あたりのプリン体
(目安)
マッシュルーム
50mg
25mg
(1食50g)
 マッシュルームにはタンパク質のほか、ビタミンB2、ナイアシン、カリウムが多く含まれています。ビタミンB2は糖質、脂質、たんぱく質の代謝に関わっていますが、特に脂質の代謝に必要とされているため、脂質を多く摂っている人は積極的に摂取したいビタミンです。マッシュルームのプリン体含有量は100gあたり50mgであり、一回当たりの摂取量で考えると多くはありません。

ぶなしめじ
21mg
11mg
(1食50g)
 ぶなしめじにはビタミンB2やナイアシン、カリウムが多く含まれています。食物繊維も多く、不溶性食物繊維が2.5g含まれています。不溶性食物繊維は水に溶けないため便のカサを増し、便通を改善する効果が期待できます。プリン体含有量は100gあたり21mgであり、キノコ類の中でも少なく、安心して食べることができます。

ホワイトぶなしめじ
31mg
16mg
(1食50g)
 ホワイトぶなしめじの栄養価はぶなしめじと変わりありませんが、プルンとした歯ごたえと、ツルンとしたの喉ごしが楽しめるキノコです。プリン体含有量は100gあたり31mgであり、ぶなしめじと大差はなく、安心して食べることができます。

はたけしめじ
16mg
8mg
(1食50g)
 はたけしめじはほんしめじに近く、味や豊かな風味、シャキシャキとした歯ごたえが魅力的なキノコです。ビタミンB2やナイアシン、パントテン酸、カリウムが多く含まれています。プリン体含有量は100gあたり16mgであり、プリン体が非常に少ないのも魅力です。

きくらげ
156mg
31mg
(1食20g)
 きくらげにはビタミンDの前駆体であるエルゴステリンが豊富に含まれています。エルゴステリンは日光や紫外線に当たると体内でビタミンDに変化し、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。プリン体含有量は100gあたり156mgであり、きのこ類の中では非常に多いのですが、通常一食当たりの量は少ないため、食べ過ぎなければ心配する必要はありません。

まいたけ
99mg
50mg
(1食50g)
 舞茸にはビタミンB2やナイアシンのほか、カリウムが含まれています。食物繊維も多く、水溶性食物繊維が0.3g、不溶性食物繊維が3.2g含まれています。不溶性食物繊維は水に溶けないため便のカサを増し、便通を改善する効果が期待できます。プリン体含有量は100gあたり99mgであり、キノコ類の中では多い方ですが、一食当たりの量で考えると神経質になる必要はありません。


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海藻のプリン体含有量


 海藻のプリン体含有量は種類によって異なり、乾燥わかめが100gあたり262mgも含んでいるのに対し、乾燥昆布は100gあたり46mgしかなく、大きな差があります。しかし、一回の食事で食べる海藻の量はあまり多くありませんので、プリン体の量をあまり気にする必要はありません。むしろ、海藻に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維を上手に活用しましょう。

食品名 100gあたりのプリン体
1食あたりのプリン体
(目安)
わかめ(乾燥)
262mg
5mg
(1食2g)
 ワカメにはβカロテンやビタミンB群、ビタミンCなどの各種ビタミンのほか、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルなど、野菜に匹敵する栄養素が含まれています。また、ワカメのヌルヌル成分には水溶性食物繊維が豊富です。乾燥ワカメのプリン体含有量は100gあたり262mgであり、一見プリン体が多く見えますが、水で戻して実際に食べる量に換算すると非常に少なく、心配する必要はありません。

ひじき(乾燥)
133mg
3mg
(1食2g)
 ひじきにはカリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。鉄分が多いイメージがありますが、その鉄分は鉄鍋由来であり、ひじき本来の鉄分はそれほど多くはありません。乾燥ひじきのプリン体含有量は100gあたり133mgですが、水で戻して実際に食べる量に換算すると非常に少なく、心配する必要はありません。

もずく(塩蔵)
15mg
0.3mg
(1食2g)
 もずくにはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルや食物繊維が含まれています。もずくのぬめりはフコイダンと呼ばれる水溶性食物繊維の一種で、糖質の吸収を抑える働きがあると言われています。もずくのプリン体含有量は100gあたり15mgと非常に少なく、安心して食べることができます。

昆布(乾燥)
46mg
1mg
(1食2g)
 昆布といえばダシのイメージがありますが、βカロテンやカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分、食物繊維などが豊富に含まれており、「海の野菜」とも呼ばれています。乾燥昆布に含まれているプリン体は100gあたり46mgですが、水で戻して実際に食べる量に換算すると非常に少なく、積極的に食べたい食材です。

焼き海苔
592mg
12mg
(1食2g)
 海苔の主成分は意外にも良質なタンパク質で、その含有量は35%にもなり、大豆に匹敵しています。また、他の海藻と同様にビタミンやミネラルを豊富に含んでいますが、なかでもβカロテンの含有量が突出しています。焼き海苔のプリン体含有量は100gあたり592mgであり、プリン体が非常に多く見えますが、一食当たりの量に換算すると非常に少なく、心配する必要はありません。


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<この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属 薬剤師 松田俊浩※
<著者の略歴>
 痛風全般はもちろんのこと、血液の病気や栄養学を専門として活動しており、痛風の正しい知識や食事療法の指導を行っている。