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魚介類(カニ・イカ・タコ・エビ・牡蠣など)のプリン体含有量

 エビやイカ、カニ、ウニ、貝などの魚介類はプリン体が多いイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。魚介類がすべてプリン体が多いという訳ではなく、種類や部位によって含有量は大きく異なり、実は含有量が少ない食材もあります。イメージにとらわれず、魚介類に実際に含まれているプリン体の量を確認していきましょう。

<この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※

エビのプリン体含有量

 えびのプリン体含有量はえびの種類によって異なり、100gあたりの含有量は車えびで195mg、大正えびで273mg、芝えびで144mg、えびに似ているおきあみで226mgとなっています。プリン体が比較的多い食材であると言えますので、食べ過ぎには注意が必要です。

食品名 プリン体含有量
(100gあたり)
プリン体含有量
(1食・目安)
車えび
195mg
98mg
(1食50g)
 車えびは身体を丸めた時の縞模様が車輪のように見えることが名前の由来であると言われています。天然物は数が少なく、流通している車えびの多くは養殖したものです。車えびのプリン体含有量は100gあたり195mgであり、プリン体が比較的多い食材であると言えます。

大正えび
273mg
137mg
(1食50g)
 大正えびはその名前から日本固有のえびのように思われがちですが、黄海や渤海、東シナ海など中国や朝鮮半島沿岸に生息しており、正式な和名は「コウライエビ(高麗海老)」です。クルマエビ科に属していますが、安価な食用えびとして広く流通しています。プリン体含有量は100gあたり273mgであり、プリン体が多い食材ですので食べ過ぎには注意が必要です。

芝えび
144mg
72mg
(1食50g)
 芝えびはクルマエビ科に分類されており、日本を含む東アジア沿岸に分布しています。小ぶりな海老ですが味がよく、和食や中華、イタリアンなど、ジャンルを問わず重宝されています。プリン体含有量は100gあたり144mgであり、車えびや大正えびに比べると少ないものの、から揚げなどはついつい食べ過ぎてしまいがちですので注意が必要です。

甘えび
222mg
89mg
(1食40g)
 ホッコクアカエビやナンバンエビとも呼ばれており、甘エビという名の通り、生で食べると甘みを感じられるため、寿司や刺身で人気があるエビです。また、甘エビの頭からは上質な出汁をとることができます。甘エビのプリン体含有量は100gあたり222mgも含まれていますので、食べ過ぎないように注意しましょう。

ぼたんえび
53mg
21mg
(1食40g)
 ぼたんえびは牡丹の花のように赤いことが名前の由来と言われています。プリプリとした食感が人気で、大きいものは高級な寿司ネタとして重宝されています。本種は本牡丹海老と呼ばれていますが、近縁種のトヤマエビやスポットエビもボタンエビとして流通しています。

伊勢海老
102mg
41mg
(1食40g)
 高級食材として知られる伊勢海老は通常300gくらいの重さですが、大きくなると1sを超える大型の海老です。お節料理のエビというイメージがありますが、刺身やフライ、汁物のほか、身を半割にして焼いたテルミドールが知られています。プリン体含有量は100gあたり102mgであり、エビの中では少ないものの、大型の伊勢海老を食べる場合は注意が必要です。

おきあみ
226mg
68mg
(1食30g)
 おきあみは見た目が海老に似ていることから海老の仲間と思われがちですが、海老ではありません。また、アミエビがおきあみと混同されがちですが、アミエビは正式にはアキアミと呼ばれ、こちらは海老の仲間です。おきあみにはプリン体が100gあたり226mg含まれており、比較的プリン体が多い食材ですので食べ過ぎには注意が必要です。


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イカのプリン体含有量

 イカはプリン体含有量が比較的多い食材で、するめいかで100gあたり187mg、やりいかで161mgとなっています。イカの重さは一杯あたり200〜300gであり、一日のプリン体摂取量を400mg以下にすることを考慮すると、食べ過ぎには注意が必要です。いかわた(イカの内臓)の方がプリン体が多いイメージがありますが、意外にもイカの身より少ない含有量となっています。

食品名 プリン体含有量
(100gあたり)
プリン体含有量
(1食・目安)
するめいか
187mg
187mg
(1食100g)
 するめいかは日本近海を含む北西太平洋に分布しているイカであり、日本で多く食されています。するめいか一杯の平均的な重さは約300gであり、プリン体含有量は100gあたり187mgとなっています。一日のプリン体摂取量を400mg以下にするためには、するめいかの食べる量には注意が必要です。

やりいか
161mg
81mg
(1食50g)
 やりいかは全体の形が槍の穂に似ていることからヤリイカと呼ばれるようになったと言われており、寿司や刺身のほか、一夜干しや煮つけなど、幅広い料理で食されています。やりいかに含まれているプリン体は100gあたり161mgであり、するめいかに比べるとわずかに少ないものの、300g相当のやりいか一杯を食べるとプリン体の摂り過ぎになる恐れがあります。

ほたるいか
128mg
64mg
(1食50g)
 ほたるいかは胴長が4〜6cmと小さく、青緑色に発光するのが特徴的なイカです。ほたるいかはビタミンAを非常に多く含んでいるほか、ビタミンB1やB2、B6、B12などのビタミンB群も豊富に含んでいます。プリン体含有量は100gあたり128mgであり、魚介類の中ではそれほど多い食材ではなく、食べ過ぎなければ心配する必要はありません。

いかわた
60mg
18mg
(1食30g)
 いかわたとはイカの肝臓(内臓)であり、ゴロとも呼ばれます。独特の風味があり、イカの身と一緒に焼いたり、塩辛の原料にして食されています。いかわたに含まれているプリン体含有量は100gあたり60mgと比較的少なく、一回当たりに食べる量で考えれば、プリン体を心配する必要はありません。


料理名から
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タコのプリン体含有量

 たこのプリン体含有量は100gあたり137mgであり、一回あたりに食べる量もそれほど多い食材ではありませんので、たこのプリン体に対してそれほど神経質になる必要はないと言えます。

食品名 プリン体含有量
(100gあたり)
プリン体含有量
(1食・目安)
たこ
137mg
69mg
(1食50g)
 たこは高タンパク低カロリーな食材であり、タウリンを豊富に含んでいます。タウリンは体内のさまざまな機能の調節に欠かせないアミノ酸の一種です。たこのタウリン含有量はホタテやアサリに次ぐ多さとなっています。たこのプリン体含有量は100gあたり137mgであり、魚介類の中では平均的な含有量となっています。

たこわた
80mg
24mg
(1食30g)
 たこわたとはたこの肝臓などを含む内臓であり、市販の加工済みのたこの内臓は取り除かれていますが、たこの内臓にもタウリンをはじめとする栄養が豊富に含まれており、食べることができます。たこわたのプリン体含有量は100gあたり80mgであり、いかわたと同様に身に比べて内臓の方がプリン体が少ないと言えます。



カニのプリン体含有量

 かにのプリン体はそれほど多くはなく、100gあたりの含有量はずわいがにで136mg、たらばがにで100mgとなっています。かにみそ(かにの内臓)は152mgと少し多くはなりますが、一回当たりに食べる量はそれほど多いものではありませんので、かにのプリン体に対してそれほど神経質になる必要はないと言えます。

食品名 プリン体含有量
(100gあたり)
プリン体含有量
(1食・目安)
ずわいがに
136mg
136mg
(1食100g)
 ずわいがには冬の味覚として人気がある食材であり、鍋料理やしゃぶしゃぶ、寿司、塩茹でとして食されています。ずわいがににはビタミンB1やB2、ナイアシンなどのビタミンB群が多く含まれており、プリン体含有量は100gあたり136mgとなっています。塩茹でなどついつい食べ過ぎてしまわないように注意しましょう。

たらばがに
100mg
100mg
(1食100g)
 たらばがには蟹の王様とも呼ばれていますが、正確にはカニではなく、ヤドカリの仲間に分類されると言われています。鱈が獲れる場所で捕獲されたことから鱈場蟹と名付けられたとされており、英語ではキングクラブと呼ばれています。プリン体含有量は100gあたり100mgとなっており、それほど多くはありません。

かにみそ
152mg
46mg
(1食30g)
 かにみそは蟹の甲羅をはがした時に見られる茶色や濃緑色の部分であり、中腸線と呼ばれています。中腸線は食物の消化や栄養素を貯蔵する機能があると言われています。プリン体含有量は100gあたり152mgであり、蟹の身に比べるとやや多いと言えますが、一食当たりの量は多くありませんので、食べ過ぎなければ問題ありません。


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貝類のプリン体含有量

 貝類のプリン体含有量は貝の種類によって大きく異なり、あさりで146mg、牡蠣で185mg、はまぐりで105mg、ほたてで77mgとなっています。いずれも一回あたりに食べる量が多い食材ではありませんので、それほど心配する必要はありません。ほたてはプリン体が少なく、身体に嬉しいアミノ酸やミネラルが豊富に含まれていますので、おすすめの食材です。

食品名 プリン体含有量
(100gあたり)
プリン体含有量
(1食・目安)
あさり
146mg
51mg
(1食35g)
 あさりは世界中で食されている二枚貝であり、ビタミンB群やミネラルを多く含んでいますが、なかでもタウリンの含有量は食材の中でトップクラスです。タウリンは体内のさまざまな機能の調節に欠かせないアミノ酸の一種です。プリン体は100gあたり146mgですが、一食当たりの量は多くありませんので、神経質になる必要はありません。

牡蠣
185mg
111mg
(1食60g)
 牡蠣は「海のミルク」と呼ばれるほど栄養価に優れており、体内でつくれない必須アミノ酸9種類を含んでいるほか、ビタミン、ミネラルを豊富に含んでいます。また、タウリンの含有量は食材の中でも断トツです。プリン体は100gあたり185mg含まれていますので、食べ過ぎには注意しましょう。

はまぐり
105mg
47mg
(1食45g)
 はまぐりは上質なダシが出る二枚貝であり、お吸い物やクラムチャウダー、鍋、酒蒸しなどの食材として広く利用されています。はまぐりにはカルシウムやマグネシウム、リン、亜鉛、鉄分などのミネラルが多く含まれており、プリン体含有量は100gあたり105mgとなっています。

ほたて
105mg
63mg
(1食60g)
 ほたては高たんぱく低脂質な食材であり、カリウムや亜鉛などのミネラルやビタミンB群を多く含んでいます。また、タウリンの含有量は食材の中でもトップクラスです。タウリンは体内のさまざまな機能の調節に欠かせないアミノ酸の一種です。プリン体は100gあたり105mgであり、食べ過ぎなければ問題ありません。

ほたて貝柱
77mg
46mg
(1食60g)
 ほたて貝柱はほたて全体に比べてビタミンB群の含有量が低下するものの、非常に高たんぱく低脂質な食材であり、タンパク質は100gあたり16.9g含まれています。プリン体含有量は100gあたり77mgと少なく、安心して食べることができます。



ウニ・白子のプリン体含有量

 ウニはプリン体が多いイメージがある食材ですが、含有量は意外にもそれほど多くなく、100gあたり137mgとなっています。ウニがたっぷりのったウニ丼に使われているウニの重さは80〜100gですので、ウニ丼を一杯食べたからといって、プリン体の摂り過ぎとはなりません。白子は非常に多くのプリン体を含んでいますので要注意です。

食品名 プリン体含有量
(100gあたり)
プリン体含有量
(1食・目安)
うに
137mg
14mg
(1食10g)
 トロっとした食感と風味が人気の高級食材ですが、実は栄養価が高く、カリウムや亜鉛などのミネラルやビタミンB2を多く含んでいます。また、βカロテンを多く含んでいるのも特徴です。プリン体含有量は100gあたり137mgであり、一食あたりの量を考慮すると、あまり神経質になる必要はありません。

いさき白子
306mg
92mg
(1食30g)
 新鮮な白子はぷりぷりでトロっとした食感が人気の食材であり、ポン酢などで食べられています。白子にはプリン体が多く含まれている傾向にあり、いさき白子には100gあたり306mgものプリン体が含まれています。一日あたりのプリン体摂取量を400mg以下にすることを考えると、避けるべき食材です。

まだら白子(たち)
560mg
168mg
(1食30g)
 まだら白子(たち)にはタンパク質のほか、カリウムなどのミネラル、ビタミンB群などが多く含まれています。まだらに限らず、白子にはプリン体が多く含まれている傾向にあり、まだら白子には100gあたり560mgものプリン体が含まれています。一日あたりのプリン体摂取量を400mg以下にすることを考えると、避けるべき食材です。

ふぐ白子
375mg
113mg
(1食30g)
 ふぐの白子にはビタミンB群が多く含まれているほか、ビタミンDやビタミンEも含まれています。白子にはプリン体が多く含まれている傾向にあり、ふぐ白子には100gあたり375mgものプリン体が含まれています。一日あたりのプリン体摂取量を400mg以下にすることを考えると、避けるべき食材です。

なまこ
6mg
2mg
(1食30g)
 なまこにはカルシウムやマグネシウムが多く含まれているほか、必須アミノ酸を含む多くのアミノ酸が含まれています。また、なまこのブヨブヨとした表面にはコラーゲンが多く含まれており、美肌にうれしい食材です。プリン体含有量は100gあたり6mgであり、プリン体が非常に少ない食材です。

ふかひれ
11mg
3mg
(1食30g)
 ふかひれはサメの尾びれや背びれを乾燥させた食材です。コラーゲンやコンドロイチンが豊富に含まれており、肌のハリや弾力を保つ美肌効果が期待できます。プリン体含有量は100gあたり11mgであり、プリン体が非常に少ない食材です。


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薬剤師のイメージ
<この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属 薬剤師 松田俊浩※
<著者の略歴>
 痛風全般はもちろんのこと、血液の病気や栄養学を専門として活動しており、痛風の正しい知識や食事療法の指導を行っている。